「誰がための物語」

ゲームマスター:秋月雅哉

【シナリオ参加募集案内】(第5回/最終回)


●紡がれた物語の、その先を
 カインと落ち人、レジスタンスの話し合いはそれから幾度となく重ねられた。その様子を、魔導水晶や水鏡によって国民は一部始終を残さず眺めた。
 官僚が立ち会わない代わりに国民がその様子を見届け、王城やレジスタンス本部へと国民の嘘偽りない投書が寄せられ続けた。
 会見の終わりごとにフィリエルとカインの通信も国内に話し合いとともに放映されたのは、今まで道具としてしか見られていなかったフィリエルが、生きている一人の『ヒト』であることを広く認知させる目的もあったのだろう。
 そして国王兄弟がどれだけ国のために自身を殺していたのかも、会議そのものよりリアルに国民へと訴えかけられた。
 予言は絶対ではないということを、心が納得しない、したくないながらもドラグニールの民は本能で理解し始めている。
 創世のころから続いていたぬるま湯のような予定調和が、今終わろうとしている。
 あるいはそれが『世界は滅びる』という予言の別側面だったのかもしれない。
 続いていくことを赦された代わりに、変わることを義務付けられたのだと心から受け入れるにはまだしばらく時間がかかることだろう。
 忌避され続け、人格を無視され続けた王弟は、明日帰還の儀式が取り行われることで国民のおおよそが納得した。せざるを得なかった。
 そして役目を終えた落ち人はそれぞれの身の振り方を考えることとなる。
 ドラスにとどまるか、元の世界に戻るか。
 とどまるのならば、また戻るまでの短い間に。
 ドラス世界で何をなすべきか。
 長い夢の終わりが、近づいていた。
 これから紡がれるのは、エンドマークのその先の物語。


【アクション案内】

m1.ドラスにとどまる
m2.技能を覚えてから自身の現実へ帰る
m3.確認したい疑問を解消してから自身の現実へ帰る
m4.その他

【アクション選択解説】


m1は、ドラスに残ります。神龍のアミュレットは効力を失ったアクセサリーとなっているため、他の国を見て回ることもできます。王族と言葉を交わす生活を送ったり、一国民として過ごしたい方へ。

m2は、自身の現実に戻る場合の選択肢の一つです。ドラスの技能に魅力を感じている方へ。

m3は、自身の現実に戻る選択肢の二つ目です。ドラス世界で明らかにされていない経過など解明したい方へ。

m4は、特に指定は設けません。自由にどうぞ。

【マスターより】


人のためを謳いながら自分のためである主張を通し続けた兄弟の「その物語は誰のための物なの?」ということから「誰がための物語」というタイトルをつけました。皆様のおかげでとりあえずの終わりを迎えられそうなことに感謝いたします。好き放題やってくれたキャラ及び生みの親である私にいつも温かいお言葉ありがとうございました。バウムサイト様での初めての活動でしたが、十年以上温めている作品の別の切り口が見られたのは楽しい驚きでした。最終話は、キャラのセリフやキャラ視点でのアクションを推奨します。おまけシナリオのような形なので、自分にとっては、というのをめいっぱい主張してくださいませ。長いようで短かった物語、最後まではしらせていただければ幸いです。