「セラ海域冒険録 〜コーリア島と海竜〜」

ゲームマスター:大木 リツ

【シナリオ参加募集案内】(第1回/全2回)

 一つの航海を終え月日が経ったある日、学者組織は新たに一部解読された古文書の調査をテラスマに持ちかける。「コーリア島」という煙突のように空に長く伸びた山が存在する島と、その昔セラ海域を渦潮で囲んだと言われる「海竜」の調査だ。海竜が実在していれば先の調査に支障が出てしまう為、一度調査する必要があるという事で指令が調査団に下りた。直ぐにトルカは団員や傭兵を集め港町ヨークテリスより調査船サンテール号に乗り出航した。
 その島はセラ海域の東側、渦潮の傍にあるという事しか古文書に書かれておらず、調査団は煙突の山という目印だけを頼りに海を彷徨った。出航してから2か月後、調査団は煙突の山がそびえるコーリア島にたどり着く。しかし長期の航海に慣れていない調査団員は体調を崩しコーリア島を目前にして倒れてしまう。それに加えコーリア島を目の前にした時、船の先が海中に存在していた岩に挟まれ動けなくなってしまう。そこでトルカはわずかな動ける調査団員と傭兵と共に上陸、メイリは船に残り挟まれた船の対応に当たる。
 上陸したコーリア島には大昔に人が住んでいた痕跡となる石で出来た様々な形の家屋が存在し、その壁にはドクロマークや模様が薄らと書き残されていた。家屋の周囲や中には硬い金属で出来た錆びた武器だった物もある。夜になると家屋の周辺で人の姿が見えないのに賑やかな男達の笑い声や戦いに出ようとする勇ましい声が聞こえてくる。その声とは離れ熱帯林からは小さな女の子の歌声が聞こえてくる。
『でっかい海竜現れたー。船長ー部下連れ海に出るー。だけーど、いっつも負けっぱなしー。そーれでも欲しいー…』
 トルカ率いる調査団の前に不可解な人達の声が届くと団員達は怯え、まともな調査が出来なかった。また家屋が点在する熱帯林の奥には墓地もある。その墓地には欠けた石碑があるが、トルカには見たことのない文字ばかりだった。
「私には解読できない文字ばかりだ。だが、この文字の羅列には一貫性がない。だとすると、複数の文化がここで交わり独自の言語の発展に繋がった可能性がある」
 可能性として共通の目的があり、様々な文化を持つ人達がこの場に集まった事を示唆する。だが、解決しようにも団員達は声に怯え、調査の続行すらままならない。
「この不可解な声は恐らくここで死んだ者。その者達から話を聞ければ文字の解決も出来るだろうが…この有様では調査は出来ない」
 悔しそうに顔を歪ませるトルカは協力者達を望まずにはいられなかった。

 船に残ったメイリと船員達は岩に引っ掛かったサンテール号の救出について話し合いをしていた。その最中、天候が良かったのにも関わらず突然灰色の分厚い雨雲が空を覆う。風は強くなり、雨が降ってくると雷が落ちた。海面が荒れだすと海中から水しぶきを上げ、見たことのない生き物が飛びだす。
「セラ海域を取り巻く渦潮が消えたと思ったら早速の来訪者か?」
 現れたのは人の言葉を話す海竜だ。蛇のように長い胴体、青白く銀色に輝く鱗、金色に輝く二本の角と目をしている。メイリや船員達が戸惑う中、海竜は咆哮を上げ睨み付けてきた。
「貴様らも欲しいか!?なら、我と戦い勝てば良い!さぁ、我と戦え!」
 海や天気も操る事が出来る程の力を持った海竜が戦いを挑んでくる。だが、ここに海竜と戦えるほどの力を持った者はいない。
「お願い、誰か私達を助けて!」
 メイリは手を組み祈った。その声は遠く離れた緑の窓でこの世界を覗いていた異世界の人達に届く。

 二手に分かれた調査団だったが、行く手を阻む障害が大きい。だが、彼らの前に声を聞いた異世界から協力者達が降り立つ。

【アクション案内】

r1.不可解な声を追う&調査
r2.海竜と戦う
r3.海竜から船や団員達を守る
r4.その他

【マスターより】

 今回はコーリア島での調査と海竜との戦いです。PCさんが突然その場に現れる設定になっていますので、アクションに余裕がありましたら登場シーンなんか考えて下されば助かります!
 楽しんで頂けるよう頑張ってまいりますので、皆さんのアクションお待ちしております!

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