「石の導きのもとに」

ゲームマスター:高村志生子

【シナリオ参加募集案内】 (第1回/全5回)

 雲多く、常に冷やりとした空気に包まれている国、レイクラウド。城主は苦悩に満ちた表情で自室にこもりうめいていた。
「わしが……わしが死ぬだと?あの呪い師め、そんな馬鹿な。だが先見の力は侮れん。せめてあの女をこの地に……」
 そして大雨の降る日、塔の下でこと切れ冷たくなった身体が発見される。
「旦那様は、あの呪い師が来てから様子が変わられてしまったわね」
「お義母様……」
「ルリエ様、もしかしたら」
 妻であるルリエは、死のひと月ほど前に城を訪れていた呪い師のことを思い返していた。黒衣に身を包み、不吉の象徴のようなその姿!夫はそれからひどく怯えるようになっていたのだ。あの呪い師に彼は何を告げられていたのだろうか。その死はなぜ招かれたのだろうか。
 ルリエは歳の離れた城主に見染められて後妻となった女だった。美しさは折り紙付きだったが、城主の意向に逆らうにはそんなもの無意味だ。先妻の娘であるサリィや国王付きの騎士ティルドはその境遇を哀れに思っていた。
 城主は後継者に娘ではなく後妻のルリエを指名していた。ルリエへの執着を知っていた人々は、憐れみながらもその遺言を受け入れていた。ルリエもまた、悲しみを押し隠し気丈に新しい城主としてふるまおうとしていた。喪が明けたら建国祭が待っている。国民が楽しみにしていた祭りだ。延期は許されない。
「せめて護衛を増やしましょう。何が起きるか分かりません」
「ティルド、ええ、そうね」
 ルリエはうなずきながら、ひそかに夫の死の真相を調べようと思っていた。同じ頃、サリィは義母への疑いを胸に苦悩していた。だがその苦悩は、遺言があったとはいえ、父ではなく義母に付き従うティルドの姿によるものであった。ティルド、貴方は私は見てくれないの……?淡い思いはしこりとなってサリィの胸に沈んでいた。

【アクション案内】

S1.ルリエとともに真相を探る
S2.サリィにかかわる
S3.ティルドとともに城内警備
S4.その他

【マスターより】

 こんにちは、高村です。
 久しぶりに新しい世界でのシナリオです。今度こそ目指せシリアス!いえ、現時点ではシナリオ予定はシリアスなんですが(笑)でも実は最終目標はラブラブだったり……するかも!?さあそれでどこまでシリアスで行けるのでしょうか。シナリオの行方は皆さんにかかっています。全5回と少し長めのシナリオですので、存分に遊んでやってください(だから目指すのはシリアスだってば)。