この日に備えてイースタ大学側は念入りに準備を進めて来たし、聖アスラ学院側の諸君も東洋の魔術に触れる機会を心待ちにしていたことだろう。 演習の授業が開始されるのは、午後１時から夕方頃までだ。 時間はほぼ無制限で、聖アスラ学院側の諸君は、三人の「先生」から何かひとつでも新しい技能を学ぶことが要求されている。 さて、現在は午前１１時。 午後の演習の前に、食事を取る者もいれば、軽く身体を動かしている者や瞑想に入っている者もいる。 ここで、聖アスラ学院広報部を代表して、姫柳 未来（PC0023）による事前調査インタビューが開始された！ ＊＊＊ まずは、トムロウ・モエギガオカ（ＮＰＣ）に未来がインタビュー！ 未来「トムロウ、おはよう！ 昨日は散々な目にあったみたいだね？ それはさておき、本日、トムロウ先生はどんなことをわたしたちに教えてくれるのかな？」 トムロウ「がっはっは！ しょせん、男の花道なんざ、茨の道よ！ で、本日の演習は、萌え！ ひたすら、萌え！ 電気街のパチンコ屋にて萌えパチスロでフィーバーするぜ！ その後は、魔法少女同人即売会で、薄い本を買い占めて、さらなる萌えを追求！ なお、俺の演習に来る女子は全員、水着着用のこと！ 男やそれ以外はフンドシで来てくれよ！！」 未来「ありがとうございました。では、次、サクラのインタビューに移るね！」 トムロウ「うわーん！ 未来ちゃーん、そんな冷たくしないでー！！」 コーテス「トムロウ君！ 今のは……明らかに君が悪いよ！ 真面目に……やろうよ？」 トムロウ「こほん、今のは、軽いイースタン・ジョークのつもりなので、聞き流してくれよ！ で、演習だが……。俺の演習は、俺が所属している情報科学専攻の演習場で行うぞ。演習場は、亜空間になっていて、無数の電気が流れている、ちと危ない場所だぜ！」 未来「へえ〜。そんな危ないところで戦闘するんだね？ 演習内容だけれど、トムロウを倒せばわたしたちの勝ちなの？」 トムロウ「いや、実は、勝敗は関係ないんだ。俺が、おまえたちに３つの技能を戦闘中に見せる。で、おまえたちは、俺の動きや攻撃パターンなんかをよく観察して、３つのうち、どれか模倣して、１０％程度でいいから、自分のモノにできたら、シナリオクリア、ぱんぱかぱ〜ん、ってことだな！（なお俺たちを撃破できた場合は、撃破ボーナスも付いて来るぞ）」 未来「なるほどね。ところで、コーテスもトムロウ側の敵ＮＰＣとして登場するのかな？」 コーテス「いや、逆……だね。僕は……聖アスラ学院側の味方ＮＰＣとして……登場するよ。つまり、今回は、トムロウ君とは……敵対するわけだ……」 未来「そうなんだ。そうなると、トムロウ側には誰がつくの？ サクラ？」 トムロウ「いや、サクラも別の演習場を受け持っているから、俺のステージには登場しないよ。俺のステージには、異文化交流委員会の仲間や情報科学専攻の仲間とか、イースタ大学のモブ学生たちが登場するぜ。ま、詳しくは【解説】参照」 未来「ところで、コーテス、今回の演習だけれど、自信ある？ 悪いけれど、コーテスってあんまり強そうに見えないんだよね……」 コーテス「まあ、強くは……ないけれど。僕は……回復と補助の魔術が……専門だ。戦闘中に回復や補助で困ったことがあれば……すぐに僕を使ってね！」 未来「さて、トムロウ先生。ステージ攻略にあたり、アドヴァイスを頂けない？」 トムロウ「アドヴァイス？ がはは、男なら正面突破だぜ！ ……すんません。まあ、俺は銃撃戦得意なんで、きーつけや！ 特に電気びりびりの亜空間で俺が暴れた日には、なかなかの修羅場になること、うけあいかな？ あと、萌え魔術といった東洋の神秘的な魔術も駆使するので、萌え死ぬ覚悟がある奴だけ俺のステージにかかってこい！（小声で：わりいが、今回の演習で登場するステージで一番変態的なのは俺のステージだぜ！ 己の変態さに自信がある奴は、むしろ飛び込んで来てくれよ！）」 未来「ありがとうございましたー！ トムロウ先生のステージでは、銃撃や萌えの魔術が学べる予定みたいだね！ そっち系統に興味がある人は、このステージに参加してみよう！ コーテスも一緒だし、回復や補助は彼に任せてもいいから、難易度はそんなに高くないかもねー」 ＊＊＊ 次に未来は、サクラ・ブロッサム（ＮＰＣ）をインタビューしにやって来た。 未来「サクラ、おはよう！ トムロウに続き、インタビューに来たよ！ サクラ先生の担当ステージはどんなのか教えてくれる？」 サクラ「未来さん、おはようございます。そうですね……、私のステージは、今、私たちがいる背景を見てのとおり、忍者屋敷で戦闘演習をします。ちなみに私、ニンジャマスターなので、ばんばん忍術を使って行きますので、気張ってくださいね！」 未来「う〜ん、見事な忍者屋敷が背景にあるね〜。忍者屋敷って、ことはカラクリ仕掛けとかいっぱいあるの？ それに忍者の敵ＮＰＣもたくさん出て来そうだね〜？」 サクラ「はい。忍者屋敷にはたくさんの仕掛けで聖アスラ学院の皆さんをお待ちしています♪ うぐいす床、落ちてくる天井、降って来る手裏剣、回転扉、隠し階段に隠し部屋……などなど盛りだくさんです！ 敵ＮＰＣ、つまり私側の仲間も全員、ニンジャマスターですよ！」 未来「うわ〜！ そんなに変なカラクリや忍者たちがいろいろと登場するんだね〜！ 聖アスラ学院のみんな、ここに行くなら足元に気を付けてね！ ところで、サクラはどんな忍術を使えるの？」 サクラ「私は攻撃系と補助系の両方を駆使する忍術を使います。ランダム攻撃や敵の動きを止める術が得意です。あと、変わり身の術ならず、身代わりの術も使えますので、ご用心！ それと、手裏剣や小刀といったデフォルト攻撃もしますから、私と対戦するときは要注意！」 未来「へえ〜。サクラのステージも大変そうだね〜！ ところで、聖アスラ学院側の味方ＮＰＣには誰が来るのかな〜？」 スノウ「言うまでもなく、私だということはお忘れなく！ 久しぶりにサクラとの組手、わくわくしているのよ、実は！」 未来「そうだね〜！ サクラが敵ＮＰＣなら、迎え撃つはスノウだよね！ そーいえば、わたし、スノウの特技ってあまり知らないけれど……。スノウはどんなことが得意？」 スノウ「私の特技は攻撃魔術ね！ むしろ、攻撃しか知らないわ！ サクラを倒すときや、モブを清掃するときは私を使ってくれてけっこうよ！ でも、回復や補助はできないので、その辺はあしからず！」 未来「では、最後に。サクラ先生、ステージ攻略のアドヴァイスをひとことどうぞ！」 サクラ「私のステージは……。トラップが多いから、まずそれに気を付けてください。しかも敵ＮＰＣが忍者ばかりなので、地の利は私たちにあることをお忘れなく。不利な状況でも切り抜けられる自信がある方はぜひ来てください！ それと、忍術はイースタにおいて、割とスタンダードな東洋魔術です。西洋の方でも、身につければ汎用性があるかと思います。東洋魔術の基本や本丸を知りたい方は、ぜひ私のステージへ来てくださいね！」 未来「サクラ先生、ありがとー！ 足場の悪い忍者屋敷で戦ってみたい人や、幅広く使える東洋魔術のベーシックが知りたい人は、ぜひサクラステージに行ってみようね〜！」 ＊＊＊ 最後に未来は、ライゼン・ムドウ（ＮＰＣ）にインタビューをお願いに来た。 未来「おはようございます、ライゼン先生！ そーいえば、昨日は、あいさつだけで、あまり絡みがなかったね〜！ まず、先生はどんな人？ 教えて〜！！」 ライゼン「おはよう、未来さん。ほっほっほ、昨日は、私の研究の都合で観光に参加できず、すまなかったのう。私がどんな人か、と？ 私はここの大学で悪魔学を教えているよ。ジョブタイプで言えば、悪魔召喚師（デビルサモナー）と呼ばれることもあるな。ちなみに教授陣の中でも老教授といった立場かな？ 他にも、トンファー術が得意で、体育や部活で格闘技の師範もやったりしておるのう」 未来「へえ〜！ ライゼン先生って、影が薄いけれど、何気にすごい人なんだね〜！ そういえば、今、インタビューをしている場所って、道場だよね？ 演習はここの道場でやるの？」 ライゼン「うむ。私は学生に稽古をつけるときは、いつもこの道場でやっておりますのう！」 未来「そうなんだ？ さっきインタビューしたトムロウやサクラのステージと違って、ここの道場、本当に道場以外、何もないよね？ 障害物とか全然ないし！ もしかして、けっこう厳しいステージ？」 ライゼン「ほっほっほ、私は小細工が嫌いでのう。正面突破の勝負が好き、ということもあり、この道場が演習場なのだよ。そう、君が言うとおり、ここのステージは電脳亜空間や忍者屋敷と違って、障害物がない分、ごまかしも効かないし、素の実力が出てしまう。その意味でも、厳しいステージとなるかな？」 未来「ほお……ごまかしが効かないステージって……ちょっと、ぞっとするかも！」 しかも先生、魔術師と戦士兼ねているタイプ？ 戦闘では悪魔を召喚しながら、トンファーをぶんぶん振るったりしちゃうの？」 ライゼン「うむ、いかにも。私は魔術（召喚術）もやるし、格闘技の心得もある。しかも今回の演習では、アイゼンミョウオウ、センジュカンノン、ウマヤドノオウジといった、なかなか高度な召喚術もお見せできましょう。そういった意味でも、私のステージが一番、厳しいかな？ だが、厳しいステージでも、多くを学びたい、という若者を私は歓迎するぞ」 未来「ところで、このステージって、もしかして聖アスラ学院側に味方ＮＰＣはいないの！？」 シルフィー「ウサミミキャットに乗って、華麗に登場よー！！ シルフィー・ラビットフード（ＮＰＣ）、飛び入りでただいま参上！」 ウサミミキャット「ミャー！」 未来「わわっ！？ シルフィー、突然、現れる！？」 ライゼン「実は私とシルフィーさんは昔からの知人でな。召喚魔術研究の友人でもあるのだよ」 シルフィー「うん、実はそういうこと。前半の修学旅行は、仕事の関係でついて行けなかったけれど、後半の戦闘演習からあたしも加わるよ！」 ライゼン「ほっほっほ、シルフィーさんと組手をするのは実に久しい。久しぶりだが、腕はなまっておらんかな？」 シルフィー「ご心配なく！ 調査部隊で鍛えられているからね！ ライゼンのじいちゃんの方こそ、演習中にぎっくり腰でリタイアとかない？」 ライゼン「ほっほっほ、ご冗談を。私はまだまだ若い者には負けておらん！」 未来「なるほどね〜！ 二人は召喚術関係の友達だったんだ？ でも、シルフィーが味方ＮＰＣになってくれるのは心強いね〜！ 今日もいろんな精霊たちを連れて来ているのかな？」 シルフィー「うん。今回の戦闘に合わせて、色々と連れてきたよ。でも、ライゼンのじいちゃんのステージは難易度：難しい、なので、あまりあたしには過度な期待をしないように！」 未来「ライゼン先生の方はどんな敵ＮＰＣがいるの？」 ライゼン「私の方は私の門下生を連れて来る予定だのう。皆、悪魔召喚もトンファーも心得がある学生たちなので、けっこう強いぞ。わはは、私の弟子たちも、聖アスラ学院生の諸君ともぜひ切磋琢磨させてやりたいと思ってな」 未来「では、先生、最後にステージ攻略のアドヴァイスをお願い！」 ライゼン「ここまでのまとめになるが、私のステージは魔術あり、体術あり、しかも障害物なしの道場でガチ勝負のハードな演習になる予定。厳しい試練をぜひ受けてみたい、と心意気のある学生さんに来てもらいたい。私を撃破することに専念するよりも、私の技能をどれかひとつでも学んで行ってもらいたい、というのが本音かな？ 何を隠そう、私はトムロウ君やサクラさんの師匠でもあるので、彼らのステージで戦うよりずっと苦戦することになるだろう。しかし、私と本気でガチンコ勝負をしたい学生の挑戦は、いつでも受けて立つ所存！」 未来「ライゼン先生、ありがとうございましたー！ もはや私が改めてまとめることは何もないガチな内容だね〜！ ライゼン先生にビシバシしごかれたい難易度ハード志望の希望者は、ぜひここのステージに挑戦してみてね〜！ 悪魔召喚術といった高度な東洋魔術を学べるのも魅力的だよね〜！！」 ＊＊＊ 以上が、本日の演習に関する未来のインタビューであった。 さあ、あなたはどの先生のステージで戦うことを希望するだろうか？ 先生で選んでもよし、学びたい内容で選んでもよし、難易度で選んでもよし。 武運を祈る！ |
