【シナリオ登場キャラクター(NPC)紹介】

シンデレラ・アーバーグ


 「私は踊ってる自分が好きなの」

 女性/20歳/160cm




イラスト/真向十琉



【シナリオ世界概略】

 中世ヨーロッパ風、剣と魔法のファンタジー世界『オトギイズム王国』。
 銃器も発達していないのに完全鎧に身を鎧うた騎士と、美肌をあらわにした半裸のビキニアーマーの女戦士が互いに背を預け、悪魔、怪物達に正義の剣を振り下ろす世界。
 月にバニースーツのかぐや姫。
 海にギャル風の人魚姫。
 森に七人のドワーフに守られた超巨乳の白雪姫と、赤いレザーボンテージの赤頭巾、年頃の女の子である金太郎が同居する、お伽話に語られる人達が住みながら、それでいて何処か世界観が狂った、まるで創造主が受け狙いの為に作りあげた様なファンタジーワールド。
 賢者曰く、世界の法則は『デザイン』なり。
 造形に魂が宿る。
 速そうなものは速く、力強そうなものは力強く、美しいデザインは美しく。
 そうでないものはそれなりに……。


 オトギイズム王国は現在、王都『パルテノン』でトンデモハット王家による治世が続き、現在は国王『パッカード・トンデモハット三世』によって治められている。
 后は『カシオペア・トンデモハット』。
 王子として長男は『ハートノエース・トンデモハット』。彼は成人したがまだ妻はなく、美形でプレイボーイとして知られている。
 次男王子は『バラサカセル・トンデモハット』。無類のナルシストとして知られる。
 末の姫『トゥーランドット・トンデモハット』は科学に秀でたデザイナー・錬金術師として知られ、国内の錬金術デザイナーに庇護を与える者で『白衣の姫』の異名を持つ。


 冒険者というものを『出世払いの何でも屋』と例える者もいる。
 冒険者とはどういうものか、という確固たる定義はない。
 冒険者と名乗る者、呼ばれる者が冒険者だというのが一般的な認識ともいえる。
 住所不定無職同然の冒険者は多い。また自宅の警備が主な任務だという者も。
 とりあえず冒険をする者が冒険者なのだ。
 そんな自由業の彼らの冒険を斡旋、仲介し、引退後の面倒を看る保険的な仕事まで引き受ける相互扶助的な組織がある。それが『冒険者ギルド』という組合だ。
 冒険者ギルドというものはオトギイズム王国の大きな町には一つはあるものだ。
 大きな通りから道一本入った所にある、結構大きな建物で、一階が広い受付ホールとなっており、めぼしそうな冒険や依頼を探す冒険者達と彼らに依頼を引き受けてもらいたい一般人達がたむろする。更に何かしらかの思惑を秘める後ろめたい者も混じり、流れのアイテム売りや題材を探す吟遊詩人もいて、人種の坩堝、ちょっとした混沌の様相を呈している。
 雑多な人が行き返す一階受付ホールは冒険の仲介、依頼を斡旋をするギルドの玄関で、ここで冒険者を雇って様様な仕事をこなしてほしい人間が受付嬢に前金等手数料を払って依頼を登録する。登録された依頼は書類の依頼手配書として受付ホールの依頼広告ボード、つまり大掲示板に貼り出され、冒険者の参加を募って窓口で受けつけるのだ。
 場合に応じて、依頼書は町の印刷ギルドで複製されて、他の町の冒険者ギルドでも掲示する為に早馬や飛脚が八方に走る事もある。それは大口の依頼だったり、広く人材を募集する依頼だったりする場合だ。
 ともあれ、迷子の猫探しから遺跡の探検、戦争の軍師までギルドに掲示される依頼は幅広い。
 冒険者ギルドの二階以上は事務室の他に居酒屋や宿屋を兼業する。地下に降りればお上品とは言い難い踊り娘が舞台で踊っている不健全な酒場や不健全な宿屋や不健全な衣装屋や不健全なアイテム屋がある。この構造も何処でもほぼ一緒だ。


 オトギイズム王国の格言に「裸の冒険者をあなどるな」というものがある。
 女戦士が下着の様な裸同然の鎧だけしか身につけていないとしても、彼女が初心者の冒険者でそれしか買えなかったのだとは限らず、もしかしたら完全鎧を上回る魔法の如き防御力、回避能力を発揮するデザインで仕上げられた超高価なビキニアーマーを手に入れた熟練者だったり、凄まじいガード能力がある様にデザインされた魔法のアクセサリーを装着した魔法使いかもしれないのだ。またニンジャ、クノイチという東洋にルーツを持つ冒険者達には脱げば脱ぐほど強くなる体術を身につけ、内外を常に全裸ですごす者もいるという。ただ中には露出するのが好きなだけの人もいたりする。
 裸かそうでないかは冒険者の個性でしかないのだ。