「湖の乙女と発明卿の遺産」

ゲームマスター:烏谷コウ

【シナリオ参加募集案内】 (第1回/全2回*運営回数に変動有)

 首都サンクチュアリではここ数日、混乱が続いていた。

 突然、街で使用されているガジェットや機械類がことごとく誤動作や暴走を起こし始めたからである。
ガジェットの利用を推進していた円卓議会には市民からの問い合わせや苦情が殺到し、
それの対応に追われて直接原因を探るどころではない。

「やっぱり、円卓議会なんて全然アテにならないわ!」
 そうつぶやいたのはシャルロット・アンブロジウス。10年ほど前に行方不明となったこの国の最高責任者"発明卿"の娘である。大型の銃を片手に、混乱した街を駆けていた。ガジェットが暴走した"原因"を探せば、父親の居場所の手がかりが手に入るかもしれないと思ったからだ。

 だが街は一人の少女が漠然と何かを探すには広すぎた。10分後にはこの惨事の中、いつも通りの営業を行う商魂たくましい街角のカフェでお茶をするシャルロットの姿があった。
「う〜、ちょっと休憩……。ていうかこの街、広すぎなのよっ!!探すの飽きたわ!完璧に!」
 彼女には誰かの助けが必要なのかもしれない。いろんな意味で。

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 一方、サンクチュアリの無意味に高いビルの上に、メイド姿の3人の少女の姿があった。

「ふっふっふ、ほーっほっほっほ!!にんげんどもめ、せいぜい慌てふためくといいでちゅわ!」
 その中の一人、舌っ足らずな口調の幼い金髪の少女が高らかに笑った。

「なーなー、お母様。次は何すりゃいいんだよ?」
 短い髪のメイドガジェットが少女に問う。サンクチュアリ鉄道の事故を起こしたヴィヴィアンである。どうやら目の前の幼いメイドガジェットを"お母様"と呼んでいるらしい。

「ヴィヴィアンさんは相変わらず人間みたいに物覚えが悪いんですのね。記憶回路が不良品なんじゃなくて?」
 代わりに答えたのは近くで街の様子を見ていた青い髪のメイドガジェットだった。ふわふわとしたロングヘアーとおっとりした口調の割に、手厳しい言葉を返す。「うぐぐ、ニムエのくせに!」と歯噛みするヴィヴィアン。

「そうでちゅねー、つぎは"えんたくぎかい"とやらを襲撃するでちゅ。まちを仕切ってるそこが機能しなくなれば、きっとにんげんはもっと困るでちゅ」
 たどたどしい口調で恐ろしい事をさらりと言う謎のメイドガジェット。たった3人のメイドガジェットが円卓議会の襲撃を企んでいようとは、まだ誰も知らなかった。

【アクション案内】

k1.シャルロットを手伝う
k2.何かを企む"湖の乙女"をどうにかする
k3.その他

【マスターより】

 前作より間が空いてしまいました。烏谷コウです。今回は前作「暴走列車と〜」の続き物となります。メイドガジェットが機械を暴走させてるんでこらしめようぜイエー!という頭のよくないシナリオです(いつもそんな感じか)。できるだけはっちゃけていこうと思いますので、どうぞよろしくお願いします!